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日本舞踊

日本の伝統文化である「日本舞踊」は動きの1つ1つに意味があり、とても奥深いものです。

日本舞踊とは

着物日本舞踊は“Japanese dance”の和訳で、すなわち日本のダンスを意味します。そもそも「舞踊」という言葉は造語であって、日本の伝統的なダンスである「舞」と「踊」を掛け合わせたものです。

近年は日本舞踊の国際化に伴って、欧米諸国やアジアにも「Nihon Buyo」という呼称が定着しつつあります。

「舞」とは歌や音楽に合わせて、すり足などで舞台を回る古典芸能です。神楽や田楽、雅楽、舞楽、能楽などがこれに相当します。
歌舞伎舞踊は演目ごとに多くのレパートリーが存在し、いずれも動作の美しい身のこなしが基本となっています。

歴史

現在の日本舞踊の起源には諸説があり、最も有力なのは今から約400年前に巫女たちがお守りを売る客寄せのために始めた「念仏踊り」だとされています。中でもとりわけ評判になったのが、出雲阿国と呼ばれる女性です。

阿国は歌舞伎の創始者としても有名ですが、もともと歌舞伎と日本舞踊は同じものを意味していました。現在120を越す流派があり、男性社会の歌舞伎と違って多くの女性が活躍しています。

流派

日本舞踊にはいくつかの流派があり、その中でも「五大流派」と呼ばれているものは以下の通りです。

花柳流 1849年に花柳壽輔が創始した流派で、当初は家庭の子女の舞踊として浸透していましたが、今日は組織力の強さで三大の流派となっています。
藤間流 宝永年間に初代藤間勘兵衛が創始した流派で、のちに茅場町の勘十郎家と浜町の勘右衛門家に分かれます。
若柳流 1893年に初世花柳壽輔の門から出た花柳芳松が「若柳吉松」と改名し、創始した流派です。花柳界で発展したため、手振りが多く、品のある舞踊が特徴とされています。
西川流 元禄時代に始まり、二世西川仙蔵が確立した流派です。300年という長きにわたる歴史を有し、当代家元は十世にあたります。
坂東流 三代目坂東三津五郎を祖とする流派です。三代目舞踊の名手で、仮政期を代表する歌舞伎役者でした。

日本舞踊を楽しむ

日本舞踊は“観て”楽しむのもいいですし、“学んで”実際に踊ってみるのもまた楽しいものです。そこで、日本舞踊をより一層楽しむためのポイントを「観る」「学ぶ」の両面からご紹介しようと思います。

観る 音楽 長唄 出囃子の明快かつリズミカルなテンポが特徴とされる種目
常盤津節 ドラマチックな演目に合わせた叙情的な演奏が特徴とされる種目
清元節 江戸生まれの派手で、なおかつ軽妙な語り節が特徴とされる種目
創作 現代の舞踊家が生み出したもので、多彩なテーマが特徴とされる種目
踊り 日本舞踊といえば、やはり「踊り」です。簡単に分けると「男舞」と「女舞」があり、男性だから「男舞」、女性だから「女舞」とは限りません。なお、男舞には獅子や殿様、物売り、お坊さん、女舞にはお姫様や町娘、天女、花魁などがあります。
衣装 日本舞踊と聞いて、華やかな衣装(着物)を思い浮かべる人も多いでしょう。実は、日本舞踊で身にまとう衣装は演目の舞台となる季節、役柄の性別や性格などによっても変化します。これは衣装も大切な表現の1つになっているからです。
学ぶ 稽古場 日本舞踊の講座は、カルチャーセンターや各流派の稽古場などで行われています。準備するものは着物(浴衣)とそれに付随する小物、さらに扇子などもあると便利でしょう。また、グループレッスン以外に、稽古の日時を自分で決められる予約制の個人レッスンが多いのも特徴です。
資格 週1~2回の稽古で3年以上修業すれば、名取免許が取得できるほどに上達し、その後の努力次第では師範の資格も得られます。資格取得後は弟子に教えたり、舞踊家として舞台に出演したりと活躍の場も広がりますが、熟練した芸が要求されるだけに稽古は欠かせません。