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日本茶

日本の風土や気候に見合った飲み物として、「日本茶」があげられます。
春は香り高き新茶、夏は冷たい煎茶、食欲の秋は美味しいお団子とほうじ茶、冬はコタツでみかんと玄米茶・・・このように四季折々の楽しみ方があるのも「日本茶」ならではです。

日本茶とは

茶国内で生産されるお茶の大半は煎茶や番茶、ほうじ茶、玄米茶などの緑茶で、これらを総称して「日本茶」といいます。

お茶は全てツバキ科カメリア属の常緑樹で、その発酵の度合いによって日本茶(不発酵茶)、中国茶(半発酵茶)、紅茶(発酵茶)の3種類に分けられます。

歴史

日本茶のルーツは奈良~平安時代で、遣唐使や留学僧らが中国茶を持ち帰ったという説が一般的です。一方で、日本原産の自生茶があったという説もあります。初期の頃は茶葉を煎じて儀式や行事に用いられる極めて貴重なものだったそうで、日常的に庶民の間で飲まれるようになったのは江戸時代の頃でした。

なお、現在の煎茶の形は江戸時代中期に京都の製茶家「永谷宗円」が生み出した“日本独自”のものです。「もっと美味しいお茶を作りたい!」という日本人の情熱が、旨みを濃縮させるため陽の光も当てずに栽培する「玉露」や「抹茶」、若葉の新鮮さを閉じ込めて茶葉のもつ旨みを最大限に引き出す「青製」など、他国にはない独自の「日本茶」を生み出したとされています。

しかし、世界の茶生産事情からみれば、緑茶は全体のわずか20%に過ぎません。さらに日本の茶園面積はたった3%、生産量はわずか4%です。私たちが毎日のように飲んでいる日本茶はとても貴重なものであり、日本人の汗と涙、知恵、情熱の結晶といっても過言ではないでしょう。

代表的な日本茶

一口に「お茶」といっても、その栽培方法や製法によって細かく分類されています。ここでは数ある日本茶の中から、主な種類を製造別に分けてみました!

露天栽培 煎茶 摘みたての新鮮な生葉を蒸したり炒ったりと熱処理することで、発酵を抑えたお茶です。日本人に馴染み深く、緑茶の中でも最もよく飲まれています。
番茶 新芽が伸びて硬くなった茶葉や茎などを原料としたもので、安いお茶の代表です。地方に伝わる独特のお茶が「番茶」という名で呼ばれることもあります。
再加工茶 ほうじ茶 煎茶や番茶などをキツネ色になるまで強火で炒り、香ばしさを引き出したお茶です。カフェインが少なく、苦味も抑えられます。
玄米茶 煎茶や番茶に焙煎した米を混ぜたお茶で、米の香ばしい香りが特徴です。さっぱりとした味わいで、幅広い年代の方が飲めます。
被覆 玉露 新芽が伸びだした頃、茶園に覆いをかけて太陽の光を20日間ほど遮り、その中で摘んだ茶葉を原料としています。渋みが少なく、旨みもたっぷりです。
栽培 かぶせ茶 茶葉の摘採の1週間ほど前にワラなどで茶園を覆い、日光を遮断して育てたお茶で、旨味成分をたっぷり含みます。
甜茶 玉露よりもやや長めに被覆して育てた茶葉を蒸した後、揉まずに乾燥させた抹茶の原料となるお茶です。名前の通り、ほんのりとした甘味があります。

日本茶インストラクターとは

緑茶「日本茶インストラクター」という資格があることをご存知ですか? これは「茶ムリエ」とも呼ばれ、日本茶文化の発展と正しい理解・普及を図るため、茶についての幅広い知識、技術、教養を備えた方々を認定し、その活動の円滑化と支援を目的に創設された資格です。

ここ数年は日本茶をテーマにしたテレビ番組や雑誌、書籍などが多くの反響を呼び、また全国各地に「日本茶カフェ」がオープンするなど、その高い健康効果や味わい、くつろぎのイメージがある種のブームを巻き起こしています。しかし、社会的な関心が高まる一方で、日本茶に関する専門的な知識や技術を要する人はそう多くありません。

そこで創設されたのが、この「日本茶インストラクター」です。現在は約2,300名の日本茶インストラクターをはじめ、約5,000名もの日本茶アドバイザーが全国各地で活躍しています。これを機に、あなたも「日本茶インストラクター」の資格を取得してみませんか?